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「努力せずに教わろうとするからだ。」
雪野が引き受けたのは、彼も勉強の大変さを知っているからである。
雪野だって初めから知識があった訳でなく、魔法を扱うために死ぬ気で知識を頭にいれ、それを使えるようにした。
そのため、努力する人間を雪野は決して笑わない。しかし努力せずに力や結果を得ようとする人間を雪野は良く思わない。
普段は面倒くさがりの雪野だが、そういうことに関しては別…という事だ。
「分かった!きちんと努力するのよな!だから頼みます雪野様!」
「俺も面倒くさがったりしないッスから!」
ここで雪野が少し思案顔になる。
「長時間は絶対にしないからな。一日二時間なら付き合ってやる。」
そして仕方がない…という顔でこう答えた。
それを聞いてはしゃぐ三人。引き受けて貰える確率は低いと考えていたからだろう。
「ただ…俺の貴重な時間を削って付き合わせるんだ。並の点数だったら……ただでは済まさないからな。」
笑顔で。しかし威圧するような雪野の言葉に三人の態度は一変。
雪野が氷の魔法を使った訳ではないのに、ガタガタガタ…と震え出して何度かうなずくのだった…。
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