氷帝

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そしてフレアドラゴンをただのドラゴンと比べてみると、違うところが二つある。 一つは獄炎を操るがゆえの炎の威力。もう一つは体の大きさだ。 ドラゴンですら体長は二十メートルもあるというのに、フレアドラゴンはほぼその二倍をいく。 ゆえに当然魔力や力も強い。 フレアドラゴンの獲物を見つける鋭い眼光と、武器である研ぎ澄まされた牙と爪。そして強靭な迅尾と獄炎は人間にとって脅威だ。 そのためフレアドラゴンの危険度はSSクラスとなっている。 SSクラスとは何を示すのかというと、ギルドで決められている強さの度合いである。 SS・S・A・B・C・D・Eというふうに左から順に弱くなっていく。 このランクづけはギルドでの強さの識別に使われる他、この世界に存在する魔物という人に危害を加える生物の強さを分けるのにも使われている。 つまりフレアドラゴンはこの世界に存在する魔物の中で、最上級に位置する最強の魔物の一つなのだ。 普通、このフレアドラゴンと出会ってしまった者は業火に焼かれて死に、村程度に現れたならば、たちどころにその場所を壊滅させてしまう。 しかし、そんな魔物に対して少年…雪野は全く臆する様子は見えず、それどころか普通に対峙していた。  
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