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この地に現れたフレアドラゴンは、鋭い目を荒野に向けて先程放った火炎球の結果を確かめるが、その目が未だ荒野に佇む雪野捕らえる。
それにより自分の攻撃が防がれた事を知ると、巨大な翼を使って今度は雪野に向けて突進を始めた。
フレアドラゴンは物凄いスピードで雪野に突っ込んで行き、その大きな顎を開く。
そこには凶悪な刃物にも似た牙が並んでおり、一度獲物に噛みつこうものならばたちどころに引き裂いてしまうシーンを連想させる。
フレアドラゴンは凶悪なそれを使って、獲物である雪野を捕食しようとしているのだが彼は違った。
《氷冷攻式―氷世界(ヒョウセカイ)―》
雪野は動じずただその場に佇んだまま、魔法を唱える。
するとどうだろうか…
雪野の周りに、数十もの厚みのない、ルーンで構成された魔方陣が展開され鈍い光を放ち出したではないか。
そしてその瞬間フレアドラゴンの時間(トキ)が止まった。
いや…正確に言えば彼は氷ついてしまい、先ほどの突進のスピードを残して動けなくなった。
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