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「あの声…やっぱりユウ?」 ぼーっと赤木が出ていった扉を見ていた蜜蜂には、すずのつぶやく声は聞こえていなかった。 「何だよあいつ…なあっ、気にすんなよあいつの言うことなんか」 「…うん」 赤木が出ていった教室。そう頷いた蜜蜂はいつもの優しい笑顔では無く、泣きそうな顔だった。 そんな蜜蜂にすずは励まそう、と口を開く。 「連絡だ。副会長の朽木蜜蜂、すぐに生徒会室に来い」 ちょうどその時、放送が入った。 低く少し掠れた声、それは会長である夕月のもの。 そして遠くから会長の麗しい声が聞けた、という生徒たちの嬉しい叫びが聞こえてくる。それをきっかけに教室内の暗い雰囲気は払拭されていた。 「ああっ、忘れてた…」 蜜蜂は苦々しそうに頭を抱えた。 放課後に生徒会会議。 もちろんすずの生徒会入りについて…って。 「今本人がここに居るし」 蜜蜂が良い案を思いついた、とばかりに口角を上げる。よし、これで会議に遅れたことも帳消しになるだろう。 「な、なあどうしたんだ?放送で呼ばれたみたいだけど…」 「ううん、大丈夫。ちょっと今から行くとこあるから、一緒に来てくれないかな」 いきなり黙ってしまった蜜蜂に心配そうに声をかける。 そしていつのまにか、すずは社会科教室を出て廊下を引きずられていた。 生徒会室に向かいながら蜜蜂は考える。いまだどこに向かうのか、と困惑しているすずに少し申し訳ない、と思いながら。 .
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