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「「ねえねえ!」」 終業式を無事に終え、夏休みに突入。 ただでさえ全生徒が一堂に介する場は騒がしいのに、今回はまた一段とすごかった。久しぶりに姿を見せた蜜蜂への歓声が。生徒たちも随分と気にかけていたから、その安堵からだろう。 めずらしくも蜜蜂が噛み倒していたことには突っ込まないようにして。 そして何と言っても、夏休み。夏独特の開放感と高揚感。 羽目を外さないように、なんて注意は無駄だろう。 「「この中から一枚選んで」」 書記双子から差し出されたのは三枚の白い紙。 更紗ははあ、と気のない返事をして適当に一枚を取る。 何なんだ、これは。 ちら、と目を向けた赤木は全て分かっているようだ。 「「えーっと、これは…」」 紙を表に返して、顔を見合わせる。 驚いたように瞬きを数回。 「まさかの国内?」 「近場だね。リゾートって感じじゃないかも」 「うーん。貸し切りは無理かなあ」 自分の知らないところで話が進んでいくなんて、良い気はしない。 更紗は不機嫌そうに低い声を出した。 「何の話ですか。説明してください。ユウさんも知ってるんでしょう?」 更紗は睨むように赤木を見る。不遜な態度にため息をついた。 「やっぱりさらくんって性格変わってない?」 「敬語の意味を成していないよね。みんな何も言わないから黙ってきたけどさ」 「「さらくん綺麗な顔して怖い…」」 小さくぼそぼそと囁かれたつぶやきに、更紗がぐるりと顔を向ける。 「何か言いましたか?」 「「ひぃっ!」」 今まで黙って見ていた赤木は仕方ない、と言うように口を開いた。 「夏休みに生徒会の奴らで旅行をしたいんだとよ。行き先は今お前が選んだところだ」 「…はあ?」 .
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