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「「いかがわしいのは零の方だよー。何を想像したのかな?」」 「なっ、べつに何も…」 ニヤニヤと笑いながら双子は零の顔を覗き込む。 意外なことに、零はそういう面では初々しい感じがする。現に顔は赤いままだ。 「「そうそう、さっき紅茶に何入れたのかって聞いたよねー?教えてほしい?」」 双子はお互いの顔を見てニヤリと笑う。 「「あのねー、こういう話聞いたんだ」」 一体何の話か、と不思議そうに首を傾げる零を尻目に双子は話を続ける。 「「新人のOLの女の子がムカつくインケンな上司のお茶にー…」」 夕月に言われ、紅茶を人数分入れなおしていた蜜蜂は茶葉をつめてある箱の隣に置いてある、ある物を見て目を丸くした。 「あれ、なんでこんな所に…」 「なあはにー、これどういうことなんだ?」 すずは不安そうに問い掛ける。そんなすずを見て、蜜蜂は改めて申し訳ない、と落ち込む。 編入したばかりでただでさえ緊張しているところに、生徒会室にまで引っ張ってきてしまった。(しかも満と透は何故かエプロンつけてるし) 「…ごめんね、落ち着いて話したらすぐに寮まで送るから」 「べつにここがイヤなわけじゃないんだっ。こいつらみんな面白そうだし仲良くしたいな」 邪気のない笑顔を浮かべるすずに、蜜蜂はホッと安堵する。どうやら無理矢理ここに連れてきたことを怒っているわけではないようだ。 .
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