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双子が言っていた通り、夕食がワゴンに載って運ばれてきたときはかなり驚いた。しかもとても豪勢な食事。 今はその食事を済ませて食器なども下げてもらった後。 食事をしている間はそんなに気を取られることはなかったが、こうしてテーブルで向かい合って座っているとこの沈黙が気まずい。 何をしよう、と考えて思い立ったのは食後のお茶を入れること。手の込んだものは無理だが確か茶葉はあったはず。 「…よかったら、どうぞ」 自分と赤木の分、二つのティーカップを置く。 赤木が薄く笑って目を細めた。 「サンキュ」 「…う、うん」 生徒会室でもこんなことが何度かあった。放課後に仕事を片付けにきてくれた赤木に少し緊張しながらもお茶を出す。 その度に赤木は自分を振り返って労いの言葉をくれた。その時、ふと彼の空気が柔らかくなったような気がして嬉しくなるのだ。 そんな放課後の数十分が暖かくて、居心地が良かった。 何故だろう。 目頭が熱くなって下を向いた。 だから赤木がどんな表情をしていたのか、自分は知らなかった。 「風呂入ってこいよ」 赤木が部屋に設置されたバスルームを見遣った。夕食を下げるとき、従業員さんがお湯を張っていってくれたのだ。 「え、先にいいの?」 「ああ」 「…じゃあお先に入らせてもらいます」 小さく頭を下げた蜜蜂の横を通り、赤木は何も言わず外のバルコニーへ出た。 窓越しに赤木の背中を見て、首を傾げた。 わずかな、違和感。 .
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