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(にしてもなんでテーブルの上に雑巾が…)
奥で零の悲鳴が聞こえたような気がした。
「はい、今日はダージリンだよ」
お行儀良く椅子に座っているみんなに蜜蜂は紅茶を配っていく。
零の前に紅茶のカップを置いたとき聞こえた言葉は一体なんだったのか。
「雑巾のしぼった汁が…」
そんなの紅茶に入れた覚えはないけど…。
「「ねーこの子だれー?」」
紅茶を飲んで一息ついた後にツインズはそろって口を開く。
「佐伯すずくん、俺のクラスの編入生だよ」
零は蜜蜂と同じクラスですずのことは知っているので何も口を出さない。
「「へー、なんでそんな地味ーな子が生徒会室にいるのー?」」
ツインズは思ったことを正直に言ってしまうだけで、本人たちに悪気はない…と思う。
案の定、というべきかやっぱりすずの顔は少し強張っていた。
蜜蜂は夕月をちらっと見て確認する。まだ編入生の生徒会入りの話は持ち出していないようだ。
「えっとね、今日の会議はすずくんのことについてなんだ」
蜜蜂は周りを見渡しながら言った。
皆すずを一瞥して怪訝そうな顔つきだったが、本人であるすずが一番動揺していた。
「えっオレのこと!?」
うん、どうやら理事長のお話は本当に全部聞き流していたらしい。
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