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だって、これが“今まで通り”だろう? 決して近いとはいえない距離。 考えるまでもなく、それが自分と彼の関係。 分かっていたことだ。 「つっかれたー!」 満はぐったりと椅子の背もたれに体重をかける。 「でも楽しかったよね」 「うん、すっごい満足!」 四人が座れるテーブルの一つ余った椅子の上には、たくさんの大小揃った紙袋。 「はにくんも?」 「もちろん、楽しかったよ」 控え目に尋ねてきた透に笑顔を返す。よかった、とはにかんで見せる。 あのあと。二つのグループに別れて街を散策することとなり、自分は双子と一緒に行動することになった。 「ご注文はお決まりですか?」 ウェイターさんがテーブルの前までやって来て、にこりと微笑みかけてくる。 慌てて双子はメニューが書かれた紙を取った。双子が行きたいと言っていたカフェに入ったのはいいものの、涼むのに気を取られていたのだ。 あれが良い、これが良いと悩み始めた双子にちらっとウェイターさんを窺う。 「すみません、手間取っちゃって」 彼女は驚いたように蜜蜂を見たが、すぐに明るい声を上げる。 「ここのメニューはどれも美味しいですから。私だっていつもオーナーにお願いして作って貰っちゃうんです」 あらためて真正面から見ると、まさに美少女という言葉が似合う容貌で、思わずどきまぎしてしまう。 女の子を見る機会が無い、というのもあるが。 敬遠されがちであろう見た目とは裏腹に、性格は快活らしい。 人懐っこい笑みを浮かべている。 .
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