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あ、と雪乃が小さく声を上げる。 ちらりと辺りを見回す。案の定、客の関心を一点に集めていた。さっきのナンパの人達よりも気になるらしい。 それはそうだろう。こんな見目麗しい集団がずらりと並んでいるのだから。 改めて一行を眺めた雪乃はくすっと笑みをこぼす。そんな当の本人こそが一番の視線の的になっているということに気付かず。 「いらっしゃいませ、こちらのお席にどうぞ」 赤木は最初に言葉を発したきり何も言わず、終始笑顔の彼女を見守るだけだった。 雪乃の案内で後から合流した彼らは蜜蜂たちの隣のテーブルについた。 迷いに迷った揚げ句、雪乃のオススメのメニュー、クランベリーチーズケーキを注文した双子はそれをつつきながら満足そうに頬を緩める。 「「おいしいっ」」 更紗がちらりと視線をやったが、すぐに自分のアイスコーヒーをすする。 見た目のかわいらしさに反して甘いものは好きではないらしい。 なら今度は甘さ控えめのゼリーなんか作ってこよう。 そこまで考えた蜜蜂は心の中で訂正を入れる。 更紗が生徒会室へ来ることはもうないのだ。 元々一般生徒は立入禁止だというのもあるけれど、それを抜きにしても彼らはもう来ないだろう。 「どうもありがとう。あ、はいユウくん、アイスティーです」 「サンキュ」 トレイを持った雪乃が赤木の前に飲み物を置く。 それに顔を上げ、一言返す。 そんな一連の流れが以前の生徒会室での自分たちのやり取りと被る。 彼ら。 そう、もちろん赤木も。 .
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