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「「きゃあああああ!!!」」
ここは由緒ある全寮制男子校。
由緒ある、と言っても校舎が古いわけではない。
世間一般からそう思われているだけ。だから皆、受験勉強を必死ですすめ、この中高一貫の学園に入ろうとしている。
…ここがどんな所かも知らずに。
「げっ、今日もかよ。めんどくせーな」
「「会長、おはようございます!」」
生徒会会長、こと白藍夕月。
白藍コーポレーションの後継ぎである。
そしてその隣に歩いているのが。
「夕月、めんどくさいなんて言っちゃダメだよ。忙しい中来てくれてるんだから」
「「はにー先輩、おはようございます!」」
生徒会副会長、朽木蜜蜂。
統一された声にいつもだが、驚きを感じながら蜜蜂は笑顔で言葉を返す。
「うん、おはよう」
生徒がずらっと並んだ門では皆のうれしい叫びが聞こえていた。
「夕月、今日は起きるの早かったね」
蜜蜂は首を傾げてたずねる。
「仕方ねーよ、この時期に編入生だろ」
そう、今日は高等部に編入生が来るということで生徒会が呼び出された。
生徒会をわざわざ呼び出すすなんて、よほど重要な生徒なのだろうか。
ふわあ、とあくびをする夕月を横目に蜜蜂は考える。
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