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「「この前ファンの子たちからトランプもらってねー。会長たち相手してくれないからつまんなかったんだー零なんて逆ギレしてカード放り投げたし」」
「おいっそれはお前らが変なルール作ったからだろ!」
「「ふつーにやったってつまんないし。それに零弱いんだもん、何回大貧民になれば気がすむの」」
高校生にもなってトランプが贈られてくるとは、さすがツインズ。女の子より可愛いと評判の天使のスマイル(と呼ばれているらしい。零が言うには悪魔の化身の嘲笑)
まあでも、
「零、一番右端のカードババでしょ」
「はっ、ちげーよ!ババは真ん中……って、ああっ」
「ババの位置言っちゃったよ。ねえ零、あんた頭ボケてるんじゃない」
「…満うまいっ、ババだけに?座布団いちまーい!」
ゲラゲラと腹を抱えて笑う双子と悔しそうにうあーっと呻いている零。
「あははっ!あんたら面白いなっオレも混ぜてくれない?」
「「待ってましたーっ。いいよ、じゃあ次大富豪ね。ほら大貧民さん早くカード配ってー」」
顔を見合わせてにいっと笑った二人は呻いている零に声をかける。
「…今日こそ大貧民から抜け出してやる」
すずは笑っているし、ツインズはもうすずに懐きはじめていた。零は相変わらずやられ役だけど。
満と透は人の感情に敏感だ。表情や言動から相手を図り、どのような人物か定める。それを元に瞬時に自分たちがどう行動すべきが判断できる。
いつのまにか相手の心に入り込んでいるのだ。
それが満と透が皆から好かれ、必要とされる理由。
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