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「あいつらそろってガキだな」 教室の端に置いてあるソファで大富豪をはじめた四人を見遣りながら夕月がつぶやいた。 「まあまあ。…にしても未提出の書類がどんどん溜まってくなあ」 夕月が座っている椅子の前の机が雪崩を起こしはじめている。 (本当はすずくんについての話が終わったあとに仕事の予定だったんだけど) 楽しそうに(一人半泣きしてるけど)トランプをする四人を見て蜜蜂は微笑んだ。 窓から入る陽射しは暖かく、生徒会室に降り注いでいた。 「うわ、やだな電話出たくない…」 ピリリリッと鳴っている携帯電話の表示を見て、彼はため息をついた。 電源を切ってしまおうか、と鳴り続ける携帯電話を見つめる。 (いや、でも出なかったら後がこわいからな…) 「はーいこの電話はただ今使われておりませーん。番号をお確かめのうえ…」 「…ふざけんなナツ。次会ったらぶっとばすからな」 「やだこわーい、そんな怒んないでくださいよー。次会ったら、ってもしかして今日の集会も出ないんですかー?」 いつも集会出ないからそろそろ怪しまれてますよー、なんて忠告しても聞かない彼は一応自分の上司…ということになるはず。 族の中で上司という言葉は使うのだろうか。 ナツはうーん、と首を捻った。 .
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