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「で、これが生徒から集めた希望用紙なんだけど…」 蜜蜂が机に置いたアンケート箱を持ち上げる。箱に収まりきらなかった紙が所々はみ出していた。 「うわっすげー量だな」 「「見せて見せてー!」」 零と双子がアンケート箱を手に取り、ばさっと中身を落とした。 「えーっと、はにーにチャイナ服だって」 「…え?そんなの自分が着ても似合わないよ」 「「会長に一日ドレイ権」」 「ほー、どこのどいつだ、沈めてやる」 にやにやと楽しそうに紙をめくる零と双子。反対に蜜蜂は少し苦い顔。 …今年は何をやることになるのか。 零や双子はこういう行事に対して周りから囃し立てるのが好きなタイプ。けれど面倒なことには関わらない主義。 「…なあ、」 わやわやと盛り上がる彼らを見ていたすずは口を開いた。夕月の膝に座り、足をパタパタさせている様はなんともほほえましい。 「一体これどういう行事なんだ?」 しーんと静まる教室。 みな一様に首をかしげている。 (…言われてみれば、これって何の行事なんだろう) あまりに当たり前のように毎年この行事があったから誰も疑問に思わなかったのだ。 .
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