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「おい、はにー、何ぼーっとしてんの?」 蜜蜂の思考をさえぎるように、軽く肩をたたかれる。その彼の声に蜜蜂は笑ってふりかえる。 「零、おはよう」 「ああ、はよ」 彼は周りの視線を臆することなく、蜜蜂に話しかける。そのことに文句をいう生徒はいない。 「放課後、会議あるから生徒会室遅れないようにね」 「え?なにかあったのか?いつもなら補佐まで呼び出されることなんかないだろ」 彼は生徒会補佐、神谷零。蜜蜂と同じクラスでもあり、気が置けない間柄である。そう、彼も生徒会のメンバーなので敵視する生徒もいないのだ。 「普段なら俺たちだけでいいんだけど、今回はそうもいかないかな」 大体の問題は、会長の夕月と副会長である蜜蜂が話し合い、行動に移すことで解決してきた。 それは、そこまで大きな事件は起こったことがない、ということでもある。 「…ふーん、まあいいや。放課後な」 蜜蜂が話しにくそうにしているのを見て零は話題を変える。 「なあ、velenoって族知ってるか?」 「ぶぇ…?いや、知らないけど」 零はどこから仕入れているのか、情報通である。本人は顔が広いだけだ、と話しているが。 .
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