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二人は話しながら教室に入り、自分たちの席に着く。蜜蜂の前に座り、椅子ごと後ろを向いて零は話を続ける。
(なぜか前の席なんだよね。偶然かな)
「おい、話聞いてんの」
「あ、ごめん。何だっけ?」
少し首を傾げていた蜜蜂は零の話に引き戻される。
「だから、その族の2トップの一人がこの学園に……」
「おーい朝礼はじめるぞー。席着けー」
担任の声に皆は慌てて席につく。零も前を向いてしまったので、話も途切れてしまった。
そんなに皆真面目なのかって? いや、まさか。
それなりに理由があったりする。
「きゃああ!先生、今日もカッコいいー!」
「抱いてくださーい!」
そう、生徒は担任である葉崎先生がくる朝礼の時間をものすごく楽しみ(?)にしているのだ。
ホストっぽいがたしかに顔は整っているのだろう。生徒に人気なのもわかる気がする。
「はいはい、静かにしろ」
鶴の一声で教室はぴたっと静まり返る。
だが次の瞬間には教室はざわめきを取り戻していた。
「このクラスに編入生が来るぞ」
あ、と思い出す。
同じ学年だったのか。
蜜蜂や夕月は高校二年。
ちなみに生徒会は実力があれば学年などは関係ない。
(…でも自分は夕月のおこぼれだ)
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