いち: 世界の始まり

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『お…‥…… や…ぱ …‥……のか?』 『…‥…ょ…‥…だって …も…‥し』 だれ? 話し声がする 声からして 男のようだ ふたりで何かを話している 瞼を 開けると 光が 目に焼き付いた 「お やっと起きたか 心配したぞ」 視線をさまよわせると あたしの 寝ているベットの右に男が腰かけているのを見つけた もしかしたら、あたしを助けてくれたのだろうか お礼を言わないと 「あ あたし…‥……」 起きあがろうと 頭を持ち上げて右肘を付いて 上体を起こそうとすると ズキッ 「! っ~…‥…」 鋭い 身を貫くような痛みが からだに突き刺さる とっさに肩を押さえると布越しに生暖かい感触がした 「あっ おいっ!? 大丈夫か?」 男もそれに気づいたようだった 「おいっ 湊(みなと)」 彼が叫ぶともう一人 男が出てきた 「どうし…‥…あちゃー 傷口開いたみたいだ」 起き上がっちゃダメだよと 優しく けど 怒ったような目で あたしを見てきた 「ご ごめんなさい‥…」
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