汗も滴る良い男達

10/26
前へ
/525ページ
次へ
「ま、俺にとっては好都合だけど」 海斗はそう言うと、あたしの口の横にキスをした。 「…………なっ!!!!???」 あたしは離れて口を手で塞いだ。 「口はダメなんだろ? ギリギリ横だからセーフだよ」 「そういう問題じゃ………!!」 平然と言うこいつを今すぐにでも蹴落としたい。 あたしは海斗からさらに1メートルほど離れる。 「ばっ……馬鹿!!! 人前だし!!すぐにそうやってキスしようとすんの最低!!」 「なんとでもー」 肩をすくめて海斗はあたしとの距離を詰めた。 離れようとすると、ガシッと肩を掴まれる。 「離さねぇよ」 笑顔で言った。 う………… わあぁぁぁああん!!! こんなケダモノといたくないよぉ―――!!!! その時、わっと歓声が起こった。 見ると、どうやら相手チームがシュートを決めたようだった。 「わぁ―――!!!! すっかり忘れてた!!」 サッカーの試合中なのに!! あたしこそ最低だ! これで1対1。 振り出しに戻った。
/525ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8999人が本棚に入れています
本棚に追加