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「ま、俺にとっては好都合だけど」
海斗はそう言うと、あたしの口の横にキスをした。
「…………なっ!!!!???」
あたしは離れて口を手で塞いだ。
「口はダメなんだろ?
ギリギリ横だからセーフだよ」
「そういう問題じゃ………!!」
平然と言うこいつを今すぐにでも蹴落としたい。
あたしは海斗からさらに1メートルほど離れる。
「ばっ……馬鹿!!!
人前だし!!すぐにそうやってキスしようとすんの最低!!」
「なんとでもー」
肩をすくめて海斗はあたしとの距離を詰めた。
離れようとすると、ガシッと肩を掴まれる。
「離さねぇよ」
笑顔で言った。
う…………
わあぁぁぁああん!!!
こんなケダモノといたくないよぉ―――!!!!
その時、わっと歓声が起こった。
見ると、どうやら相手チームがシュートを決めたようだった。
「わぁ―――!!!!
すっかり忘れてた!!」
サッカーの試合中なのに!!
あたしこそ最低だ!
これで1対1。
振り出しに戻った。
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