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あたしは頬がカッと火照るのを感じた。
「オイ」
不意に、後ろから声を掛けられる。
「なに………よ?」
振り返ったその先には、奴がいた。
「あっ…」
「どけよ。邪魔だ」
それだけ言うと、あたしを押しのけて教室に入る。
あたしは頭が真っ白になった。
「おぅ、龍ーっ!おはよ」
「あぁ」
適当に返事をするそいつ。
金髪に赤いメッシュ。
大量のピアス。
分からないわけがない。
なんたって、校内、いや、他校でさえ有名。
「鮫島 龍(サメジマ リュウ)……」
数々の暴力事件。何度警察のお世話になったことか。
そんな奴が同じクラス…?
ありえない。
完全なる孤立状態。
あたし以外みんな髪の色は黒ではない。
みんなが未知なる格好。
こんな人達と、1年間やれと……?
誰か、嘘だって言ってーーーーー!!!!!!!!
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