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シャワーを浴び終え備え付けのガウンを着ると出たことを彼に告げる。
すると彼は交代で浴室へ消えて行った。
ベットに座り、また思い出してしまった。
他に女がいたということはやはり女として魅力が足りなかったからなのだろう。
彼といた時間は嘘で固められていたのだろうか…。
わからない。
「何か飲むか?」
ふと声がした方を見るとタオルで髪を拭きながら冷蔵庫を覗き込んでいる彼。
いつの間に出てきたんだろう。考え過ぎて気付かなかった。
「とりあえず…名前は?」
何も答えないでいると彼はペットボトルを手渡しソファーへ座りながら訪ねてきた。
そういえば名前すら知らなかったんだっけ。
「柏木 恵、あなたは?」
「あぁ、工藤 要、25歳、ちなみに年下だろ?」
「二十歳」
歳を告げただけなのに悲しみがまた纏わりつく。
今日で、二十歳だ。
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