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「二十歳ね…で?何故傘もささずに泣いていたわけ?」
要が聞くと俯くことしかできない。
「知り合ったばかりの他人に話して楽になる事もある、まぁ無理には聞かないが」
そういう考えもあるのかと、そう思えたら話をしてみようかという気になってしまった。
「付き合っていた人がいたの…。でも…裏切られた…。彼、私の他に女がいて…。アパート行ったら知らない女と…」
「ベットにいた…?」
付け足すように言われ黙ってうなずいた。
彼が小さくため息をついたのが分かった。
「今日は…特別な日だったから…。仕事って言ってたけどアパートで待ってようと思って…部屋まで行ったら明かりがついてて…だから…」
「はぁ…特別な日って…付き合いだした記念日とか?」
付き合いだした記念日?違う。もっと大きい。ただの記念日ならよかったのに。
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