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「誕生日…だったの。…今日でちょうど二十歳の。」
「誕生日?今日?」
驚いたように聞く彼にただうなずいた。
「おめでとう」
突然彼から言われた一言。
一番聞きたかった一言。
本当は一番に彼の、純の口から聞きたかった。でも彼は私の誕生日すら忘れていた。
無表情で顔色一つ変えないけど、彼は、要はその一言を言ってくれた。
ただ、それだけなのに…。
嬉しくて言葉にならなかった。ただ言葉の代わりに止まったはずの涙が頬を伝った。
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