第一章:前田の風来坊

3/5
前へ
/40ページ
次へ
音がした部屋、それは和室からだった。 新八は恐る恐る和室の襖に手をかけ、ゆっくり引く…。 「ごくっ…;」 そして中の様子を見る。 するとそこにはッ…。 「ィテテテテッ…;」 和室の真ん中にあったテーブルが真っ二つにへし折られて、その上には妙に派手な姿をした男が尻餅をついていたのだ。 「イッテェ……一体何が起こったんだぁ?………ん?」 男は新八の存在に気づいた。 「だ……誰…ですか?;」 新八が声をかける。 「えっと……おたくも…どちらさんだ?;」 「新八ぃ~、何が落ちてたんだぁ?;」 銀時が木刀を構えながら寄ってきた。 「ぎ…銀さん、変な人が;」 「マジか!?」 「いやいやいや! 俺変じゃねぇだろ!」 「うるさい! 空から落ちてきたら明らかに変だろ!」 「誰だよコイツ! 間違いなく変な奴だろ! 服が派手過ぎるし!」 「何言ってんだよ! これは俺の普段着なの!」 男が必死で抗弁する。 すると男はふと何かに気づく。 「あれ……そういやぁここどこだ?」 新八に尋ねた。 「ここは万事屋銀ちゃんです!」 「……万事屋…銀ちゃん…?」 「そうです! そしてこの方こそ、万事屋銀ちゃんこと坂田銀時です!」 「えっへん! 恐れおののけ変人野郎! この坂田銀時が成敗してくれる!」 「……坂田?…知らないなぁ; …というか俺、さっきまで長篠に居たんだけどなぁ…」 「……は?…な…長篠?」 銀時が聞き返す。 「あぁ…そうだけど;」 「あの…ここ江戸ですよ?」 「Σえぇ!!? なんでだ!?」 「というかおぃ変人野郎、お前名前は…?」 「俺か? 俺ぁ慶次…前田慶次だ」 「え…前田…慶次? 銀さん…慶次って…あの前田慶次ですか?;」 「…あの前田慶次しかねぇだろ…; いや…あの…ちょっと待って…。 どういう事ぉおおッ!?」 -
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

456人が本棚に入れています
本棚に追加