第一章:前田の風来坊

4/5
前へ
/40ページ
次へ
---- 「…………;」 「…………;」 「2人とも何黙りこんでるアルか? 新八、さっさとこの歌舞伎役者にお茶を出すヨロシ」 公園から帰ってきた神楽がソファーに座って黙っている二人に声をかけた。 二人が座っている向かい側には、屋根から落ちてきた男…前田慶次が不思議そうな顔で部屋の周りを見渡していた。 肩には夢吉という小猿が乗っている。 「神楽ちゃん…この人は歌舞伎役者じゃないですよ;」 新八が立ち上がりながら神楽にツッコミを入れる。 「そうだぞ神楽。 コスプレイヤーだ」 銀時が夢吉を凝視している。 「違いますよ; いや根拠はないですけど; お茶入れてきます」 新八は一時台所へと離脱。 すると慶次は銀時に尋ねてきた。 「ここはすげぇなあ…見たことがない道具もあるし、このソファーってのも初めて座ったよ」 「あぁそ…; …というかアンタ本当に前田慶次か? 半信半疑なんだよなぁ」 「本物だって; 恋と遊びを求める風来坊、前田慶次たぁ俺のことよ!」 夢吉がキキっと鳴きながら慶次に拍手している。 「銀ちゃん、まえだけいじって誰アルか? 警察アルか?」 「それは前田刑事。 前田慶次ってのは、戦国時代の風来坊だ」 「戦国時代? なんでそんな昔の時代のヤツがココにいるネ…怪しいアル;」 「だから半信半疑なんだよ……;」 「ちょっとちょっとぉ万事屋さん; まだ疑ってんのぉ?」 「ったりめぇだろ、こんな時代に昔の人間が居る訳ねぇだろ…タイムトラベルしたんじゃあるまいし;」 「…ぇ?…昔の人? 誰が?」 「おめぇだよ! 前田慶次さん!」 「…じゃあ…ココには謙信や武田はいねぇのか!?」 「いねぇよ…もうずっと昔の人間だ」 「………;」 -
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

456人が本棚に入れています
本棚に追加