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「…………;」
「…………;」
「2人とも何黙りこんでるアルか?
新八、さっさとこの歌舞伎役者にお茶を出すヨロシ」
公園から帰ってきた神楽がソファーに座って黙っている二人に声をかけた。
二人が座っている向かい側には、屋根から落ちてきた男…前田慶次が不思議そうな顔で部屋の周りを見渡していた。
肩には夢吉という小猿が乗っている。
「神楽ちゃん…この人は歌舞伎役者じゃないですよ;」
新八が立ち上がりながら神楽にツッコミを入れる。
「そうだぞ神楽。 コスプレイヤーだ」
銀時が夢吉を凝視している。
「違いますよ; いや根拠はないですけど;
お茶入れてきます」
新八は一時台所へと離脱。
すると慶次は銀時に尋ねてきた。
「ここはすげぇなあ…見たことがない道具もあるし、このソファーってのも初めて座ったよ」
「あぁそ…;
…というかアンタ本当に前田慶次か?
半信半疑なんだよなぁ」
「本物だって;
恋と遊びを求める風来坊、前田慶次たぁ俺のことよ!」
夢吉がキキっと鳴きながら慶次に拍手している。
「銀ちゃん、まえだけいじって誰アルか?
警察アルか?」
「それは前田刑事。
前田慶次ってのは、戦国時代の風来坊だ」
「戦国時代? なんでそんな昔の時代のヤツがココにいるネ…怪しいアル;」
「だから半信半疑なんだよ……;」
「ちょっとちょっとぉ万事屋さん;
まだ疑ってんのぉ?」
「ったりめぇだろ、こんな時代に昔の人間が居る訳ねぇだろ…タイムトラベルしたんじゃあるまいし;」
「…ぇ?…昔の人? 誰が?」
「おめぇだよ! 前田慶次さん!」
「…じゃあ…ココには謙信や武田はいねぇのか!?」
「いねぇよ…もうずっと昔の人間だ」
「………;」
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