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刀を黒い姿の侍に没収された政宗と小十郎は、ある部屋へと連れて行かれた。
部屋の札には『局長部屋』と彫られている。
「近藤さん、お客さんだ」
政宗の声をした黒い侍が襖を開け、近藤という人に声をかけた。
「おぅ、入れろ」
「よし、入れ」
「邪魔するぜぃ」
「ほ~、アンタらか…屋根から侵入してくた変な奴ってのは。
本当に変わった姿だな;」
中には、胡座をかいて座っている中年が一人居た。
おそらくこの男が局長だろう。
「この格好は滑稽か?
この姿は俺のsymbolだぜ?」
政宗が男を睨みつける。
伊達軍名物ガン飛ばしだ。
「政宗様、言葉を慎んだ方が宜しいかと;
おそらくこの方は、ここの頭かと…」
小十郎が政宗に注意する。
そして今度は男に目を向ける。
「頭殿、先程は御勝手に屋敷の屋根を破り、侵入したことはどうかお許し願いたい」
「おぉ、礼儀正しいな。
まぁそんな堅くなるなよ、楽にしろや」
だぁっはっはっはと腕を組みながら男は笑った。
「廃刀令のご時世に刀を持って敷地内に入るということは、攘夷浪士かと考えていたけど…どうやら違うらしいなぁ」
「じ…じょうい…?」
「面白いよお前ら。
悪い人間じゃないみてぇだしな!」
急に表情が軟らかくなった男に、小十郎と政宗は困惑した。
「で…では、我々を許す…ということか?」
小十郎が尋ねる。
「あぁ許すッ。
おぉそうだ! まだお前らの名前聴いてなかったなぁ」
「はッ…このお方は奥州筆頭である…独眼竜こと伊達政宗でございます。
そしてそれがしは、政宗様の側近…片倉小十郎と申す…」
「伊達…政宗……?…奥州…?;」
今度は男が困惑した。
「伊達政宗って…あの伊達政宗か!?;」
「え…は…はぁ;
ご存知でありまするか?」
「いや…あの……コスプレの方ですか?;」
「「…は……?」」
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