第二章:竜と鬼とドSとゴリラと

3/7
前へ
/40ページ
次へ
---- 刀を黒い姿の侍に没収された政宗と小十郎は、ある部屋へと連れて行かれた。 部屋の札には『局長部屋』と彫られている。 「近藤さん、お客さんだ」 政宗の声をした黒い侍が襖を開け、近藤という人に声をかけた。 「おぅ、入れろ」 「よし、入れ」 「邪魔するぜぃ」 「ほ~、アンタらか…屋根から侵入してくた変な奴ってのは。 本当に変わった姿だな;」 中には、胡座をかいて座っている中年が一人居た。 おそらくこの男が局長だろう。 「この格好は滑稽か? この姿は俺のsymbolだぜ?」 政宗が男を睨みつける。 伊達軍名物ガン飛ばしだ。 「政宗様、言葉を慎んだ方が宜しいかと; おそらくこの方は、ここの頭かと…」 小十郎が政宗に注意する。 そして今度は男に目を向ける。 「頭殿、先程は御勝手に屋敷の屋根を破り、侵入したことはどうかお許し願いたい」 「おぉ、礼儀正しいな。 まぁそんな堅くなるなよ、楽にしろや」 だぁっはっはっはと腕を組みながら男は笑った。 「廃刀令のご時世に刀を持って敷地内に入るということは、攘夷浪士かと考えていたけど…どうやら違うらしいなぁ」 「じ…じょうい…?」 「面白いよお前ら。 悪い人間じゃないみてぇだしな!」 急に表情が軟らかくなった男に、小十郎と政宗は困惑した。 「で…では、我々を許す…ということか?」 小十郎が尋ねる。 「あぁ許すッ。 おぉそうだ! まだお前らの名前聴いてなかったなぁ」 「はッ…このお方は奥州筆頭である…独眼竜こと伊達政宗でございます。 そしてそれがしは、政宗様の側近…片倉小十郎と申す…」 「伊達…政宗……?…奥州…?;」 今度は男が困惑した。 「伊達政宗って…あの伊達政宗か!?;」 「え…は…はぁ; ご存知でありまするか?」 「いや…あの……コスプレの方ですか?;」 「「…は……?」」 -
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

456人が本棚に入れています
本棚に追加