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「サウル、本気じゃなかったんでしょ?」
「……ま…まぁ…実はそうなんだけど……」
やっぱりどうして、皇族相手というのは気が引けるのだ。
結局の所、本気ではなかったわけで。
「あれがサウルの本気だったら、ちょっと残念だもの」
「ハァ……流石に王族や皇族を相手にするのは慣れてないからなぁ……」
「リドとは稽古しないの?」
「アイツは基本的にアルと稽古してるんだよ。あとは、ミシェリア隊長とか、クラウド副隊長とか……」
「ミシェリア?」
「竜騎士隊の隊長だよ……まぁ、基本的にミシェルって呼ばれてるんだけど。なんでミシェル隊長がリドと仲良くなってるのか、サッパリわかんねぇな……」
仲良く、というか、たぶん軍人としての仲の良さではあるだろうが。
「そう言えば……リドとアル、見かけないけど」
と、不意に疑問げな表情を浮かべ、アリスはサウルの背後や、はたまた四方へ目を向けてみた。
しかしながら、居るはずはない。
「さっき、リーヴァなら見かけたが?」
つまりはリドを見かけたわけだが。
「何でリーヴァになってるんだろ?」
「アレに変装していくってことは、城下に降りるんだろうよ。王様が普通に街中を歩き回ったら、色々とヤバイだろ?」
「お仕事、かな?」
「すくなくとも、ヒマな時ってのはあまりないからな。仕事だろうさ、何かは知らないけど」
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