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一面真っ白な世界で目が覚める。
そこには四角に手入れされた、背丈くらいの植木でできた巨大な迷路だけしか見当たらなかった。
不思議な魅力に引き込まれ入って歩いていると、ボロボロの家を見つけた。
そこには迷路の木の手入れをしているおじいさんが住んでいた。
おじいさんは奥さんと離れ離れになって、一人で暮らしてたらしい。
チェスの相手を頼まれ、相手をしてあげることになった。
黒い駒と白い駒のチェスをしながら会話をした。
「見ない顔だがここには来たばかりかな?」
「ここではすべてのものに所有者がいる」
と教えてくれた。
戦績は一勝一敗一分け。
「決着はまた会った時につけよう。それまでに勉強したらいい」
そう言ってチェスの駒の黒い方を皮の袋に入れて譲ってくれた。
おじいさんに別れと礼を告げ、また歩いていると女の子とぶつかった。
その子は
「逃げなきゃいけない。あなたが安全な場所まで連れていかなきゃいけない」
と言った。
何故かはわからないけどオレから離れるとその子は死んでしまうらしい。
訳か分からなかったが、目的も無かったので一緒に旅をすることにした。
少し歩くと辺りが暗くなって来た。
突然、空から仮面を付け箒に跨がった魔女がやってきた。
『襲われるかもしれない』
と思った瞬間、おじいさんからもらったチェスの駒のナイトが馬になって魔女の方へ駆けて行った。
魔女がそれ追っている隙に走って逃げた。
しばらく逃げて、離れた場所で、息を整えていると馬が帰って来て駒に戻った。
少女が言うには
「魔女が馬に気を引かれたのは、オレが馬に逃げられたと思い込み、馬を自分の物にしようとしたから」
らしい。
そんな話をしてるうちに辺りが明るくなってきたのでまた歩き出すことにした。
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