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気付くと私は病院にいた。傍らにいた警察官に、私はいきなり倒れてここに運ばれたと聞いた。特に異常はないため、このまま退院できるそうだ。
私は病院を出ると長谷川のことを思い出し、急いで携帯で電話をした。
……駄目だ、繋がらない。
長谷川の自宅を訪ねてみるが、誰もいない。長谷川の家のインターホンを連打していると、隣の家のおばさんが私に話しかけてきた。
「あら、長谷川さんなら2週間くらい旅行するって言って昨日出て行ったわよ」
「そうですか…」
確かに長谷川は旅行が好きだった。しかし、タイミングが良すぎないか?まるで狙っている様である。
そう思ったところで、おばさんが思い出した様に付け加えた。
「そういえば、何かに取り付かれた様な感じだったわねぇ……。旅行を楽しむという感じではなかったわよ」
……まずい。長谷川の行方がまるでわからない。このままでは、確実に殺されることとなる。……嫌だ。殺されるのは嫌だ。生きたい……。なんとかしなければ。
私はあの手この手を考えながら、実家に帰った……。
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