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私は起きるとテレビをつけた。またいつものニュースキャスターが興奮気味に原稿を読み上げた。
「今度は長谷川さんが殺されました。私達の独自の予想としては次はあと5日後で……」
「狙われる方にもなってみろよ」私はそんな事を思うとテーブルの上の缶コーヒーに手を伸ばした。コーヒーを飲みながら煙草をふかした。やることはいつもと変わらない。ただいつもの様な気だるさがない。引き絞った弦のごとく空気が張り詰めていた。
仕事は休みなので、これと言ってやることはない。テレビを観ようとしてもあのニュースで持ちきりだ。今更やることはない。然るべき時が来たら逃げるしかない。そのときまでは……
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