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シャワーを浴びた後、私は長谷川は天井に吸い込まれて行ったのを思い出した。恐る恐る寝室の天井を見上げると、そこには10円玉大の小さい穴があいていてその周りはまがまがしく黒ずんでいた。元からあったのかあの時出来たかは解らない。ただ、異様な空気をおり放っているのは確かだった。
私は生まれて初めて真剣に神に祈った。正直、今まで神や仏など信じていなかった。いるならば、世界中で起こっている紛争はどうしてなのか。全知全能の神が存在したならば、宗教理念の相違から起こる紛争は有り得ない。しかし、今は何でも良いからすがり付きたかった。いやはや、私も弱っている。私は「運命を享受すべきか?」と悩んだが、最初の弟の夢や2回目の長谷川が苦しんでいる夢を思い出した。そして、「私は死ぬわけにはいかない」そんな思いが再び蘇った。
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