食事

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食事

 私が落ち着きを取り戻した頃には9時をまわっていた。食卓から母の声が聞こえる。 「朝御飯用意したわよ」 「今行くよ」 私は、とりあえず食卓についた。母が炊きたての御飯と熱い味噌汁を持ってきてくれた。母は更にこう言った。 「昨日の残りだけど、食べてね」 ホルモン焼きとレバニラが私の目の前に置かれた。 「これは……いいや……」 「あら、あなた昔好きだったのにねぇ。ガツ(胃袋)とかハート(心臓)とかモツ(腸)とか」 ……私はこの時ばかりは昔焼き鳥屋だった両親を恨んだ。食欲は大分失せたが棄てるわけにも行かず私は御飯と味噌汁だけ流し込み、食事を終了した。とりあえずしばらくは外食にしよう。
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