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だって、そんな事したら貴方……怒るでしょ?』
俺じゃなくてもキレる、と魔帝は皮肉気にユスティアに言い返す。
『そうですね。
貴方に暴れ回られると、止められる者が今はいません。
早急にお招きしましょうか』
光とともに扉が顕現した。
扉の前に近付くと、触れてもいないのに扉自身が奥に開いた。
一歩足を踏み入れ、次に身体全体で踏み込むと、背後で扉が閉まる。
「お久しぶりです」
「つまらん挨拶などいらねぇ。
俺にはこれだ」
手で酒を飲む仕草をする。
ユスティアの方も、それを見て意味が解ったのかワインのボトルを投げた。
「お前は料理は死ぬ程下手だが、ワイン造るのだけは上手ぇからな。
ありがたく頂くぜ」
「嫌味かしら?」
「これが嫌味に聞こえねえなら、蛆の湧いたクズだぜ。
もうどうしようもねえ、取り返しが付かない。
自分の頭ピストルで撃ち抜いて人生やり直しな」
指先でピストルの形を作り、ユスティアに人差し指を向ける。
バン、と静かに呟いた。
「あら、惚れた女を撃てるの?」
ユスティアが魔帝に近付く。
そしてその指先を静かに自分の胸に触れさせた。
「いや。
そこまで外道じゃねえよ。
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