プロローグ

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そのリングをやる時に。 お前がそれを感慨深く付けてる間は、何回でも助けてやるよ」 「ありがとう……」 ユスティアの目から滴が落ちた。 それが悲しさによる物か、嬉しさによる物なのかは解らない。 「泣くなよ。 世界最強の男が目の前にいて、ソイツがお前の為に動くって言ってんだ。 ここは笑えよ」 うん、と言って滴を拭き取る。 「状況を言え。 そして、俺に何をして欲しいか伝えろ」 フォークを用意されていた料理にダンと突き刺す。 口に入れ咀嚼する。 満ち足りた顔で言葉を発する魔帝は、見ていて安心感さえ抱かせるものだった。 しかし―― 魔帝が突然口を抑える。 「やっぱ無理だ、お前の料理だけは……」 見た目はとても美味しそうな出来栄えだ。 しかし魔帝が口を押さえたまま動かない。 「ウソ、流石にそこまで」 「いいかユスティア。 お前の料理は世界を制圧出来るぞ……」 それから、魔帝とユスティアは密談を続けた。 魔帝はユスティアの頼みを聞き、それを承諾した。 そして直ぐに二人はこの場所を後にし、地上に降りる算段を付けた。 目標は、魔界王の撃破。 これは、ユスティア一人では絶対に為し得ない事である。
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