13人が本棚に入れています
本棚に追加
そのリングをやる時に。
お前がそれを感慨深く付けてる間は、何回でも助けてやるよ」
「ありがとう……」
ユスティアの目から滴が落ちた。
それが悲しさによる物か、嬉しさによる物なのかは解らない。
「泣くなよ。
世界最強の男が目の前にいて、ソイツがお前の為に動くって言ってんだ。
ここは笑えよ」
うん、と言って滴を拭き取る。
「状況を言え。
そして、俺に何をして欲しいか伝えろ」
フォークを用意されていた料理にダンと突き刺す。
口に入れ咀嚼する。
満ち足りた顔で言葉を発する魔帝は、見ていて安心感さえ抱かせるものだった。
しかし――
魔帝が突然口を抑える。
「やっぱ無理だ、お前の料理だけは……」
見た目はとても美味しそうな出来栄えだ。
しかし魔帝が口を押さえたまま動かない。
「ウソ、流石にそこまで」
「いいかユスティア。
お前の料理は世界を制圧出来るぞ……」
それから、魔帝とユスティアは密談を続けた。
魔帝はユスティアの頼みを聞き、それを承諾した。
そして直ぐに二人はこの場所を後にし、地上に降りる算段を付けた。
目標は、魔界王の撃破。
これは、ユスティア一人では絶対に為し得ない事である。
最初のコメントを投稿しよう!