1-2.アオヤマタツキ

6/9
前へ
/78ページ
次へ
ドンドンドン しばらくするとまたドアを叩く音。 インターホンが壊れているから鳴らないのだ。 「たつきぃー?」 女の声。 「開いてるー」 外にも聞こえるように、大きな声で部屋から返す。 「じゃ、俺帰るわ」 健太郎が膝に手をついて立ち上がる。 「おー」 健太郎と入れ違いで入ってきたのは神野仁美。 同じクラスだったやつ。 「ひさしぶりぃ。春休みになってから連絡くれないんだもん」 ちょこんと俺の横に座る。 こいつ、誘ってる。 すぐにわかった。 普通にかわいいんだろうけど、俺はあの子を知ってしまったから。 今までのようには思えなくなってる。
/78ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加