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この時私は全然気づかなかった。
梨杏が言っていたアイツ…『菅野渚』だと言うこと。
無口であまり話さなくてケンカばかりしている…この人を。
私はただ、この時…
優しそうな人だなぁ♪
これからも仲良くできるよね♪
渚君が隣の席でよかった!
なんて…呑気に考えていた。
ただ…少し気になったことが…。
それはいままでの彼を知っている人達の渚君への態度。
『菅野さん』それはいままでの彼を知ってる人達の言葉。だって何人かなら『菅野さん』って呼んでもそうやって呼ぶ人なのかな?とか思うだけだけど…
みんな…だから。
「菅野さん…さっきは偉そうに話しちゃってごめんなさいっ!」
さっきまで『菅野君』と呼んでいた人も何故か『菅野さん』になっていた。
「別に、いいけど…」
「ごめんなさいーっ!」
その子はそう言って他の人達の所に何故か怯えながら行った。
「…渚君?」
「…あ?」
私は聞こうか聞かないか迷ったけど胸のモヤモヤがどうしてもとれなくてスッキリしないから聞いてみることにした。
「なんでみんな渚君のこと『菅野さん』って呼ぶの?」
「…ぁあ。いつものことだよ。…もしかしたらお前もその内あいつらみたいに俺のことああやって呼ぶかもな。」
「…っえ?なんで?」
「あいつらみんな俺が怖いんだよ」
渚君の話しを聞いているとどんどん解んなくなる。
「…どうして?」
「どうしても。」
「っ!わっかんないよー…」
「なにがだよ…」
「だって『どうして?』って聞いても渚君なにも教えてくれないんだもーん…
どんどんわからないことが増えてくんだよー…」
「…別にいーだろ。それにお前にはかんけーないだろ?どーせお前もその内俺のこと怖くなって逃げ回んだろ?」
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