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クッテンブルクが陥落し、父の死が伝えられた翌日、エルナは予定よりも早くエヒテルンの北にあるリューゲンバルト空軍基地に到着した。
門で小銃を持った衛兵に書類を渡すと将校がワーゲンに乗ってやってきた。
将校は彼女に見覚えがあったのか、表情を緩めて近付いてくる
「久しぶりだな、エルナ。いや、ここはバイヤー候補生と呼ぶべきかな?」
そう言いながらワーゲンの後部ドアを開くのはエーリッヒ バウマン大尉。
予備役になる直前の公爵指揮下の部隊に配属され、それ以来バイヤー家によく出入りしていためエルナのこともよく知っていた。
「基地内を案内しよう。乗ってくれ」
彼にそう促されたエルナが乗り込むとワーゲンは軽いエンジン音を立てて走り始めた
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