終わる平和

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翌日、エルナが朝食を済ますと、すでに公爵は会社の重役と引き継ぎの話をしていた。 声をかけようかと思ったが、昨日の出来事があったためかそれを躊躇って屋敷の外へと出た。 空はよく晴れ、とても戦争をしているようには思えない。 エルナの気分とは全く逆に晴れやかな空を見ていると彼女の気持ちは少しだけ持ち直してきた。 エルナは運転手に頼んで近くの飛行場へと向かった。 バイヤー航空の中核となる飛行場であり、彼女がずっと飛び立ってきた場所である。 唯一頼れる父に強く拒絶された彼女が父との繋がりを再確認するには他に二つとない場所だった。 飛行場へ入ると人も飛行機もなく、風が吹くだけだった。 バイヤー航空所属のパイロットの多くは徴兵で出征してしまったし、ほとんどの飛行機も大小問わず輸送能力の高いものは軍に徴用されてしまっている。 それでも戦争が終わればすぐに事業が再開できるようにと飛行場は前と変わらぬ状態に保たれていた。 その飛行場の一番奥、いくつかある格納庫の中で一つだけ木造のものがあった。 そこへエルナは入っていった
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