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 2  彼らは黒服の少年の家に行くことにした。  少年の部屋はそれなりに片付いており、勉強机の上に教科書が積んであったり、床に漫画が数冊散らばっていることを含めても、男子高校生と言う分類ではかなり片付いている方といえるだろう。 「で? これからどうするんだ?」  白服の少年が尋ねる。 「どうするったって……。まあ適当に暇つぶし?」  黒服の少年は思い浮かんだことをそのまま口に出す。 「その暇つぶしについて考えてんだろ? ったく、なんでこんなに金と女に縁がねーんだよ。はぁ」 「今のってお金の円と人と人との縁をかけたギャグなのか?」 「んなわけねーだろ。つかなんでモテねーの? 俺もお前も。顔は悪かあねえと思うんだけどなあ」  そう呟く白服の少年の顔は確かに悪くはない。少なくとも初見ならばかっこいいと感じさせるものがあるだろう。  短く切り揃えられた黒髪は、ワックスでツンツンと立てさせてある。  黒服の少年は、髪が長く、目元まで隠れるほど伸びており、後ろ髪は肩近くまで伸びている。  しかし、先ほど述べたポリシーゆえか、もともとの体質か、肌が白い。黒髪と黒服がその白さを強調させている。  それに加えて、少年は骨格が良かった。スッと抜けるような鼻。薄く血色の悪い唇は白い肌と相まって病弱そうな印象を受ける。黒縁の眼鏡は知的な印象というより無口そうなイメージを与えていた。
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