プロローグ

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     ──西暦2016年10月25日。  全ての始まりはこの日からであった。  この日、世界2ヶ所、連続して隕石が落下した。  幸運か不幸か、そのうち、日本へと向かっていた隕石が途中で分解、その破片は静岡県に落下した。そして、地図上から静岡という地名を消し去った。  残る破片は東京へと落下していき、同じく東京は死と瓦礫の街と化した。俗に言う静岡隕石と東京隕石である。  いや、隕石だけならまだマシであった。隕石群は人類にとある特大の贈り物を落としていった。  それは天を意味する言葉でもある。  ──スィエル。  いつからそこにいたのかはわからない。だが、彼らはその時そこにいたのだ。血と叫びと絶望が飛び交うその瓦礫の街に。  たくさんの国が消え、その分たくさんの命も消えた。  されど続く、彼らと人類との最終戦争は5年目に突入する。  双方の鎮魂歌を奏でるために。
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