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「で、そのお友達はなぜその人形を探しているのですか?」
ボスがまた高橋ちゃんの方へと笑顔を向けると、高橋ちゃんは口を開いた。
「実は、その人形。友達の亡くなった母親が作ったそうなんです。だから、お店には売ってないんです。」
「すいません、高橋さん。それを何故、高橋さんが探すんでしょうか?」
眉間にシワを寄せてリコラが聞いた。
高橋ちゃんは困ったようで、おろおろとしている。
「リコラ。」
「はい?」
ボスが、目を細くしてリコラを見る。
余計な事を言うなと目で注意しているのがわかる。
そしてボスは高橋ちゃんの方に顔を向けると口を開いた。
「高橋様。私達は依頼を果たすだけなので、お話ししたくない事は話さなくても・・・。」
「いえ、あの、その・・・私が探している理由はですね・・・。その、友達が母親の亡くなったショックで寝込んでしまって・・・。」
高橋ちゃんは戸惑いながらもそう答えた。
目線は右上、喋り方も怪しい。
完全に嘘をついてる。
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