第1話 プリンセス

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数日後…ヴァンパイア帝国武道館に、剣の音が鳴り響く。 キィーン!キィーン!キキィーン!ドバーン! 2人のヴァンパイアが、レイナの剣術にて、吹っ飛ばされる。 「おいっ!ウォッチにクリボ!その程度の腕では、この帝国は守れぬぞ!立てー!」 レイナが言う。 「それでは、姫!こちらも本気を出させて貰います」 ウォッチが、こう答えた。 「姫!手加減しませんぞ!」 クリボも、こう言った。 キィーン!キキキィーン!キキキキキィーン! 剣が弾け合う、凄まじい勝負だ。 到底、人間には見える速さではない。 「最初から、その意気で掛かってこい!小娘だと思って、なめるなよ!」 レイナが、こう言う。 ウォッチとクリボ、この2人の男は、ヴァンパイア帝国の騎士である。 数々の戦を乗り越えてきた、勇猛なヴァンパイアである。 レイナの護衛を任されており、いつも側に付いている。 レイナとの絆も、とても厚い。 剣術の稽古も終わり、レイナがニヤケながら、こう言った。 「なあ~、ウォッチにクリボ、わらわは、人間界に行って見たい!お前ら2人が見逃してくれれば、脱け出せる!なあ~頼むよ2人共!ねっ❤いいでしょ!すぐに戻ると約束するからさぁ~」 レイナは、カワイ子ぶってウインクまでして頼んだ。 「ひっ姫、そっそれだけは、ダメです」 ウォッチは、苦笑いしながら言った。 「気持ちは、解るけど、むっ無理ですよ、何かあったら姫に」 クリボも同じ様に、こう答えた。 「もう、いい、2人には頼まないよ!べぇ~だ!」 レイナは、プンプン怒りながら、こう言いその場を立ち去った。 それから、いつもの様に、何もなく、平和に過ぎていた日々の、ある日の満月と北斗七星が重なり合う美しい夜空の日のこと… ひとりの家来が、慌てた様子で、ドラド公爵のもとに走り、こう叫んだ。 「王女様が、王女様が、何処を探しても居りませぬ!申し訳ありません!」 家来は、動揺し震え上がっている。 「なにぃー!!レイナ様が、レイナ様が、居なくなっただとぉー!!探せぇー!早くレイナ様を探さんかぁー!もし、レイナ様に何かあったら、お前らの首!!全員、跳ぶと思えー!!」 ドラドは怒りながら、こう大声で言った。 いつもは穏やかなドラドも、この時ばかりは、家来達を怒鳴り付けた。 そして、ウォッチやクリボ騎士達も、必死でレイナを探し続けた。 2人は、あの時の姫の話を思い出し、責任を感じていた。
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