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午前九時半、俺は夢花駅に着くと、入口にあるベンチに座った。
(ちょっと早く来すぎたかな……よし。暇つぶしでもするか)
俺が太ももに頬杖をつきながら今はやりの携帯ゲームをやり始めて20分後、白いTシャツに青いスカート姿の優菜が俺の名前を呼びながら走ってきた。
「ごめんね。ひーくん。待ったよね?」
「いや、今来たばかりだから大丈夫だって、気にするな」
俺が優菜の頭を撫でて笑いかけると、優菜は俺に笑顔を見せてくれた。
「えへへ……よかった。じゃあ、早く行こっ!」
「えっ!?ちょっ……待てって!」
俺は慌てて優菜を追いかけるようにして切符の販売機の前に立った。
「はい。ひーくん。お金、140円頂戴!」
「あ、あぁ」
俺は優菜から切符を受け取ると、財布から140円を取り出し、右手を差し出していた優菜に手渡した。
「じゃあ、早く電車に乗ろうよ!」
「お、おい!引っ張るなって!」
俺は優菜に引っ張られ、駅のホームへと行き、そこから電車に乗って、花結市へと向かった。
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