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「なんたってあの子、有名人だから、親睦を深めるチャンスでもあるし」
「あわよくばイケメンタレントを紹介してもらおうと思ってるんですよねー?」
「うるさいっ!」
モモは奈緒の尻をカバンで引っ叩いた。
「ま、オプションとしてそういうこともあるかもしれないけど、それはそれとして置いといて……。犯人をつかまえたらしこたま罰金をせしめられそうじゃない。あの写真集って1冊2940円もして、それが10冊だから、今までのところでも2万9400円。けっこうな財力じゃない」
「結局お金が目当てなんじゃないんですかー?」
「勘違いしちゃダメ。それはあたしの中では目的の20%。80%は友情と、さっき言ったみたいな立場上の義務感だよ」
自称で20%もあるということは、本当は90%ぐらいだということだろう。
やっぱり欲得ずくではないか。
嘘でもいいから金なんていらないと言ってほしかった。
でなければ、話が一気に世知辛くなってしまうではないか。
「ということで、明日も美園ちゃんの机にアレが入ってたら、すかさず救いの手を差し伸べるってことで。異存はないよね! あー楽しみ♪ じゃあね♪」
モモは他二名の回答など聞かずに分かれ道を曲がって颯爽と去って行った。
まぁ、面白そうだし、俺としては萌絵梨ちゃんとお近づきになるチャンスでもあるから異議のあろうはずはないのだが。
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