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オレは持ってきたロープを顎から首それから額に回し、口が開かないように縛ると、ロープの余りを手綱の形に結び、気を失っていたバゲルフの身体を引き摺る。
砂漠の端から太陽の輝きが沸き出て、地平線を黄金色に染めている。
ゲートは遠いな。
これからゲートまでこの巨体を引き摺る事を考えると、溜め息が出た。
腐臭を消し飛ばす程の熱風が頬を肌を撫でる。持っている水筒がカラカラと軽い音を立て、猛烈な太陽の陽射しが迫ってきていた。
今日が始まる。
オレは振り返ると肩に掛けたロープに力を入れた。
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