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…つまり、俺の残された
タイムリミットは
残り2週間な訳で
……余裕が……ない。
『榊お兄ちゃん、サンタさん信じてるっ?』
『……は??』
無邪気な顔で
幼稚園児みたいな
質問。
『私はもう信じてないなぁ~っ』
いやいや、信じてたら
ちょっとビックリだよ。
あ…天然だもん。
仕方ないよね。
『榊お兄ちゃんは、お母さんやお父さんにクリスマスプレゼントあげる?』
『え…っ?親に???』
『うん!』
とびきりの笑顔。
ベンチから立ち上がり
俺の目の前に立った。
つばきには長すぎる
マフラーを靡かせながら
『このマフラーね、お母さんが編んでくれたのっ』
嬉しそうに答えた。
『私ねっ、お母さん大好き!だからクリスマスや誕生日には絶対プレゼントするのっ』
そういえば……
つばきが小さな時に
父親とは離婚しているらしく
女手一つで育ててくれた
母親が大好きで尊敬しているのだと
言っていたな…。
なるほど。
つばきはイイ子だ。←
『じゃあ俺も親にクリスマスプレゼントやろうかな……』
そう言うと
つばきは幸せそうな顔で
喜んだ。
もう2週間もすれば
会えなくなるキミ。
俺は悲しくて
ツラくて………
キミは笑っていた。
いつまでも
その笑顔は消さないで。
俺は……
あの時の
返事が欲しかった。
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