第一話~「先生」~

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「佐藤。おら、授業行け」 「嫌。お腹痛いから寝る!」 そう言いながらベッドに座る。 「またかよ…。お前は1日に何回腹痛(ハライタ)になれば気が済むわけ?」 ため息をつきながら、あたしのほうを見る。 「女の子の事情なんですー」 「それならさっき薬あげたろ。飲んでねぇの?」 「だって…これ嫌」 「文句言うなよな」 眼鏡をはずしながら苦笑する、先生。 「薬自体、飲めないし」 そして、あたしが座っているベッドに座る。 「何なら…俺が口移しで飲ませてやるよ?」 「何言って…」 「無理矢理飲ませてやってもいいよ?」 顔がどんどん近くなっていく。 あたしは思わず、目を瞑る。 すると、鼻をつまんできた。 「先生が生徒なんかに手なんて出せねぇよ」  
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