第一話~「先生」~

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  「だったら…」 「そんなこと言うな、だろ?」 あたしのドキドキを返して… 「わかってるならしないでよ」 「悪い悪い」 にっこり笑いながら、手を合わせる先生。 「だから先生は女誑し(オンナタラ)って言われるんだよ」 「俺は別に言われてもいいよ。女誑しって」 「なんで?」 「俺の好きな人だけに俺が一途だってことわかってくれれば、俺はそれで満足だから」 うー… なんだよそれぇー… 「先生の好きな人って?」 「知りたい?」 「うん」 あたしがそう答えると、手招きしてくる。 「耳、かして?」 先生に寄っていき、耳を近づける。 「内緒」 先生の低い声が鼓膜を揺らす。 「てゆーか、先生に好きな人いたんですね」 あたしは嫌味気に先生に言った。 あたし… 可愛くない―……  
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