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「だったら…」
「そんなこと言うな、だろ?」
あたしのドキドキを返して…
「わかってるならしないでよ」
「悪い悪い」
にっこり笑いながら、手を合わせる先生。
「だから先生は女誑し(オンナタラ)って言われるんだよ」
「俺は別に言われてもいいよ。女誑しって」
「なんで?」
「俺の好きな人だけに俺が一途だってことわかってくれれば、俺はそれで満足だから」
うー…
なんだよそれぇー…
「先生の好きな人って?」
「知りたい?」
「うん」
あたしがそう答えると、手招きしてくる。
「耳、かして?」
先生に寄っていき、耳を近づける。
「内緒」
先生の低い声が鼓膜を揺らす。
「てゆーか、先生に好きな人いたんですね」
あたしは嫌味気に先生に言った。
あたし…
可愛くない―……
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