電脳暗号

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……だろうな。 大した事情の説明も促されず、一気に酒宴に突入したのは、ジューダス・コインの効力ではなく、俺への対処と、積み荷の取り扱いについて検討する為の欺瞞だったのだ。 ……っつーことは、だ。 〈エッジ〉ってのが偽名ってのもモロバレなんだろうな。 ――こういう場合。 ――Pi! テッドに手渡されたマトリックス・セブンを手早く扱い、パットは指紋認証モードを起動して、俺の手の掌をサーチする。 ――ピピッ! 認証終了の警告音が小さく響いた。 ……俺のなんだから、当たり前っちゃ当たり前なんだがな。 俺は、溜め息を洩らした。 「お前のモンなんだな?」 パットの言葉に小さく頷く。 「パット!ヘイ、パーット! 〈賭け〉は俺の勝ちだ、コイツは盗っ人じゃねぇ。 ……矛盾だらけの〈ミスター・サイファー〉さ。」 ひげもじゃの顔をニヤニヤさせながら、テッドは傍らのキーボードを操作してホログラム・モニターを起動させる。 蛍光色の立体映像が、俺達の頭上にオンラインの表示を浮かび上がらせた。
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