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俺は、朧気な記憶の糸を辿りながらホログラムを見上げた。
「軍閥（作注：防疫戦線とスポンサーの企業集団をこう呼ぶ事がある。その専横と利権に対する皮肉を込めて、だが。）のプロパガンダじゃない。
本物の戦闘、本物のクトゥルー。
そして、彼等に奪われ廃虚と化した都市。
……退廃的な都市生活者達の、エスカレートする欲求を充たすのには充分過ぎる程の映像に、古くて新しいリミックス・ミュージック＆ロックンロール。
多感だが行き場のないフラストレーションを溜め込んだ、ティーンエイジャーの心を掴むのも当たり前だ。
……何しろ、ディスクを配信してたのは彼等と同じ、いや、もっと若い傭兵達だったんだからな。」
１stアルバム『New Reign,』から『DAINASTY』までの三部作では殆ど素顔を晒さず、チラリと映る横顔や体格の幼さから、一部の識者からは〈虐待ビデオ〉のレッテルを貼られたのも事実だ。
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