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「俺達のディスクを知ってるなら話は早い。
つまるところ弱小企業の集まりだかんな、俺達のスポンサーは。
軍閥の干渉を、一番恐れているのは彼等だ。」
テッドはキーボードを操作しながら笑った。
「無法者の集まりとは言え、利潤と効率を追求する軍閥とは違い、俺達〈傭兵〉には仁義ってモンがあるからな。
仲間や要救助者を見捨てたりはしない。
……そこに危険とリスクがあったとしても、だ。」
「感謝してるさ。」
俺は、くわえたマールボロごと唇を吊り上げた。
「だからこそ、他所者への警戒は怠らないし、身元を洗うのは最低限の防衛手段とも言える。……防疫戦線の端っこで、軍の上前をハネるのが俺達傭兵だからな、睨まれてんのも事実って訳だ。」
……つまり、この〈要救助者〉は軍閥の〈仕込み〉。
スパイを送り込む為の欺瞞だった可能性があるってことか。
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